健康ニュース 平成12年4月1日送付 発行部数 464
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<本号の目次>
▼ TOPニュース
▼ 連載特集
▼ 健康づくりワンポイントアドバイス
▼ 兵庫県立健康センターの話題
▼ 兵庫県内の話題
▼ お願い
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<本文>
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▼【TOPニュース】
・ 2000年4月から介護保険制度と「健康日本21」がスタート。
 これからの少子高齢社会を支える社会保障の基本理念は「連帯と自己責任」とされています。この介護保険は、個人個人が自立した生活を送るために必要な介護を社会が保障するナショナル・ミニマムで、必要な医療費をすべてカバーする現行の医療保険制度とは異なった概念です。一方、「健康日本21」は、寝たきり要介護者をできるだけ少なくするための生活習慣病予防対策の1つで、国民が達成する生活習慣の見直しのための数値目標を定めたものです。健康づくりはあくまで自己責任で各自が取組むものであり、社会が保障するものでないとの考え方が今後の主流になります。介護においても自立意欲のある要介護者が求められるようになります。
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▼【連載特集】
「あなたは愛する人を救えますか」その9?心肺蘇生法は「お互いの命を守る社会づ
くり」
 兵庫県立健康センター所長
  河村剛史
 1998年ワールドカップのアジア予選で、日本の出場権をかけた日本対イラン戦は、日本人が熱狂した試合であった。この試合の中で、村田選手が倒れている姿を見た日本選手がとっさにサイドラインに意図的にけり出すシーンがあった。一点を争う試合展開の中で、相手方イラン選手のフリースローもまた,味方選手側でなく、やはり意図的に日本側バックライン方向に投げ,ゴールキーパの川口選手のボールとなった。緊迫した試合の中でも、瞬時に状況判断できた選手がいる日本サッカーは正真正銘の国際レベルに達しており、同時に平然と当たり前のように行われたプレーの中に彼らの「選手の安全(命)が勝負より勝る」というスポーツマンシップを感じとった。私が心肺蘇生法の普及啓発を行うきっかけとなったバレーボール試合中に倒れたハイマン選手の事件のように、試合が中断されることなく、ただ担架で試合会場から運び出される光景がよみがえった。
  一人の心臓病の生徒の命を守るために、学校全体が立ち上がった中学校がある。入学した一年生が心臓発作で倒れ、この時はじめて突然死の恐れのあるQT延長症候群と判明した。この中学一年生がはじめて知った死の恐怖に対して家族も学校もどの様な心のケアをしたらいいか、また心臓発作が起こったらどの様に対処したらよいか確信が見いだせずにいた。この相談を受けた私の答が、一人の生徒の命を
守る学校の体制つくりであった。まず、親を含めて45名全職員が心肺蘇生法を徹底的に修得することから始めた。次に同じクラス(一年D組)の同級生全員が訓練を受け、やがて一年生全員が訓練を受けた。これ以後、毎年、一年生を対象に心肺蘇生法の実技講習を行い、人形20体を使い、いつもアシスタントには一年組40人が2人ペアで一体を担当し一年生を教えた。今年も5月に講習会に行くが、心臓病の生徒
は、この3月に無事卒業した。「一人の生徒の命を守ることが、自分の命が守られていることになる」というすばらしい実践教育ができたと思っている。
 わたしが全校生徒の前で、3年間訴え続けてきたことは、試験をすれば、一番から100番まで順位がつく。かけっこをすれば一番から順位がつく。だが、人間に平等に与えられているもの,それは“命と勇気”である.心の中にある勇気を常に出せる人,それがこの世で一番すばらしい人間である。目の前で倒れた人の命を救うために大声で助けを呼べる人はすばらしい人である。
 「あなたは愛する人を救えますか」を訴えて活動している私の心肺蘇生法普及運動は,「他人の命を守ることが,自分の命を守ることになる」という誰にでもわかる最後の、また最良の手段と考えたからである.これは「基本的人権は人間に平等に与えられた権利であるが,これを守る義務も課せられている」ことを学ぶまさに民主主義の啓発運動なのである.
 ある中学校の講演会では,生徒に「今,目の前の交差点に目の不自由な人が立ち止まりました」,「あなたならどうする」と,生徒の中に分けいって一人一人に問いかけをする.「その人が無事に渡れるかそっと見守ってあげる」と答えた生徒はごく僅かである.でも,「知らない」と答えた生徒も,「これも君の意見だ」と皆の前で認めた私の言葉が嬉しかったと講演の感想作文に書いてくれた.
 今,われわれが努力すべきことは,「自分ならどうするか」を常に考え,実行する勇気を持った人間を育てる教育環境づくりである.今後の成熟社会とは,「お互いの命を守る社会づくり」を目指して,それぞれが自分の立場の中で何が出来るかを考える対等社会であり,そして社会との関わりの中で「個を主張する」努力こそが生きがいと思う.
 続く
 バックナンバーにつきましてはセンターホームページ資料ボックス
http://www.hyogohsc.or.jp/entry/frame.htm
からご覧いただけます。
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▼【健康づくりワンポイントアドバイス】
・ エアロビック運動(歩行、ジョギング、水泳等)愛好家の喫煙と心肺機能につ
いて
 マラソンの世界で以前,血液ドーピングの違反が問題になったことがあります。これは競技中の酸素運搬量を増やすために,数ヶ月前から採血をし、造血機能を高め,さらに試合直前に再自己輸血することにより赤血球数を増やす違法行為です。オリッピックランナーは、これを合法的に行うために3000m級の空気の薄い高地トレーニングを行い、必死に赤血球を増やす努力をしています。
 ヘビースモーカーに、赤血球の多い多血症が多く見られる理由は、喫煙時の吸入する一酸化炭素(CO)がヘモグロビン(Hb)と結合してCOHbとなり、酸素運搬能力がなくなるためです。ご存知の様に一酸化炭素中毒では死亡します。全ヘモグロビンの10%程度では死にいたることはありませんが、喫煙により酸素運搬能を持たない赤血球を増やしているわけですから貧血状態で運動していることになります。
 喫煙は、競技スポーツ、健康づくり運動の関係なく運動効果を相殺してしまいます。
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▼【センターの話題】
・ 「介護者のための健康づくり講座」参加者募集
 日程 1期4回シリーズ  14:00?16:00
   土曜日コース   平成12年4月8日(土曜日)から
  火曜日コース   平成12年4月11日(火曜日)から
 料金  1期間  6,000円
 問い合わせ先 oomae@hyogohsc.or.jp
・ 禁煙通信教育参加者募集
 日程
  1期  平成12年5月? 9月
  2期  平成12年9月?平成13年1月
 料金 各期 5,000円
 問い合わせ先 onishi@hyogohsc.or.jp
・ 禁煙メーリングリスト参加者募集
 日程
  1期  平成12年5月? 9月
  2期  平成12年9月?平成13年1月
 料金 各期 3,000円
 問い合わせ先 onishi@hyogohsc.or.jp
・ ダイエットメンバ?募集
 料金 1年間 60,000円 健康度開発度測定料金(2回分)を含む
 問い合わせ先 matsuba@hyogohsc.or.jp
・ 肥満メーリングリスト参加者募集
 日程 1期5月?9月
 料金 3,000円
 問い合わせ先 matsuba@hyogohsc.or.jp
 詳しくは、健康センタ?ホ?ムペ?ジ diet を4月11日に開設いたしますのでご覧
ください。
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▼【兵庫県内の話題】
・ ひょうご健康づくり県民行動指標のご紹介
 1999年度兵庫県が策定しました県民行動指標の内容を紹介します。
総論
第3章 県民行動指標(分野、ねらい、選定理由等略。指標のみを紹介)
○ 毎日一回セルフチェック 年に一度は健康診査
○ 毎日歩こう 背筋を伸ばして 今のあなたに もう1,000歩
○ 毎日10分ストレッチ からだにうるおい こころにゆとりを
○ 通勤・通学 チョットした工夫で 楽しい運動
○ 塩分半減 素材の味を楽しもう
○ 一日きちんと3度の食事 もう少し食べたいところでごちそうさま
○ 一工夫 油と脂をひかえた 和食の料理
○ 乳製品の幅広い活用で、なごやか家族
○ 煮た野菜も たっぷり食べて 気分スッキリ
○ 自ら認める 適度なストレス
○ 決めようよ 一日1回リラックスタイム
○ 一日のしめくくりは 入浴タイムで
○ 快眠はシンデレラ就寝から
○ 家族・仲間と 月に一度は自然の中へ
○ 体質を知ろう アルコールパッチテストで 日本人の半分は飲めません
○ アルコール 飲めない人にはすすめない 飲める人も飲みすぎない
○ 家族や仲間をいたわる心で たばこ ゼロ
○ 吸わないことがカッコいい 大切にしよう 自分のからだ
○ 口から始まる健康づくり 噛めば噛むほど元気なからだ
○ すっきりさわやか 食後の歯みがき ながらみがきで 5分間
○ 受けようよ 年に一度は 歯の健康チェックと大掃除
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▼【兵庫県外の話題】
・ 2000年3月29日に臓器移植法施行後5例目の脳死移植が行われました。
 提供者は20歳代の男性で、6病院7例の患者さんに移植されました。心臓は8歳の拡張型心筋症の子供患者に移植されたことと、始めての脳死肺移植が行われとことが今回の特徴です。もう1つ注目したいことは、提供者が心肺停止患者で,1時間の心肺蘇生法後に心拍再開したが、脳死状態となった人であったことです。提供心臓は心機能低下があり、成人移植には適さないと判断され,子供に移植されたことです。子供に移植された心臓の機能回復を祈るとともに、同時に提供者の男性がすぐに心肺蘇生法を受けていれば救命できていたかもしれないということです。改めて心肺蘇生法の大切さを実感した次第です。
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▼【お願い】
 このメールマガジンは、健康づくりをテーマに兵庫県立健康センターが編集し
、不定期(月1回程度)に発行します。本号は個人413件、団体51件の合計464件の方々にご送付させていただきました。
 誠にお手数ですが貴メールアドレスへのメールマガジンの送付停止につきましては、下記の当センターホームページより削除依頼いただきますようお願い申し上げます。
http://www.hyogohsc.or.jp/entry/frame.htm
 ご意見、ご要望、記事等のご投稿につきましては、メール等でご送付いただければ幸せです。また、健康づくりに関するディスカッション、質問解決の場としてはメーリングリストを開設いたしております。併せてご利用下さい。
メール mail@hyogohsc.or.jp(hyogohsc@hyogohsc.or.jpにはリメールできません)
メーリングリスト http://www.hyogohsc.or.jp/maillist/frame.htm からhealth_for_all@hyogohsc.or.jp へ入会の上ご利用下さい。
 我々は多くの方々の健康づくりに少しでも寄与できればと考えております。インターネットにつきまして、未熟な我々がメールマガジンを発行できるのも、皆様方のご協力の賜物と感謝いたしております。今後ともご協力、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
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 兵庫県立健康センター
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  TEL: (078)441-2234
  FAX: (078)441-2149
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  mail: mail@hyogohsc.or.jp
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