高齢者の低蛋白血症にも注意が必要

 


 血液中の総蛋白量の正常範囲は、6.5〜8.0g/dlで、通常は7.0g/dl以上が普通です。6.5g/dl以下を低蛋白血症と言い、腎臓から蛋白尿がでるネフローゼ症候群や肝臓でのアルブミン合成が低下した肝硬変などの明らかな疾患が有名です。

  最近、高コレステロール血症を健康診断で指摘され、油ものを控えるように指導された高齢者や伴侶を亡くされ、毎日の食事バランスが充分でない男性の独居高齢者の中に、6.5〜7.0g/dlの程度の軽度の低蛋白血症になる例が増えてきています。

  脂肪が多い動物性蛋白質の摂取を控えるのは正しいのですが、野菜、炭水化物が中心の食事になり、大豆を中心とした植物性蛋白質の積極的な摂取が不足していることが考えられます。

  長寿者の多い沖縄では、脂肪抜きの豚肉料理が優れた蛋白摂取源になっています。低蛋白血症は免疫力(免疫グロブリン)の低下を来し、肺炎などの感染症にかかりやすくなります。
 
  兵庫県立健康センターでは、「元気で、すこやかだ」は、げん(玄米)き(キノコ)で(芋)、す(すの物)こ(コンブ)や(野菜)か(カルシウム)だ(大豆)を基本に、大豆料理からの蛋白質の積極的な摂取を勧めています。独居高齢者には定期的な高蛋白料理の宅配制度が必要になってきます。



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