血中遊離脂肪酸濃度の増加は心臓突然死の原因となる

 


 以前から動物実験にて血液中の遊離脂肪酸が増加すると不整脈がおこることはよく知られていましたが、最近のアメリカの循環器専門雑誌の「Circulation」にフランス人5.250人を22年間経過観察を行い、血中遊離脂肪酸濃度の高い人ほど心臓突然死が多く発生しているとの疫学調査が発表されました。

  フランス人は心筋梗塞の少ない国民で、赤ワインのポリフェノールが抗酸化食品として冠動脈硬化を防いでいると言われていますが、心筋梗塞以外にも遊離脂肪酸による不整脈の原因も考えられます。

  以前にも紹介した過労死、心臓突然死の予備軍と言われている“死の四重奏”(上半身肥満、高中性脂肪血症、糖代謝異常、高血圧)の病態は、内臓脂肪の蓄積と言われており、内臓脂肪細胞から血中に大量に流入する遊離脂肪酸が心臓突然死の原因である疑いが濃厚になってきています。内臓脂肪を蓄積しないように、毎日、定期的な脂肪を燃焼させる有酸素運動を行うことがやはり最大の予防法です。



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