血中の遊離脂肪酸が増加するとインスリンの働きを弱める

 


 インスリン感受性組織である筋肉や脂肪組織にはインスリンレセプターが存在します。このレセプターにインスリンが結合すると細胞内にシグナルが伝わり、通常は細胞内に存在していたインスリン反応性グルコーストランスポーター(Glucose Transporter Type 4;GLUT4)が細胞表面上に移行(トランスロケーション)し、細胞内へグルコースを取り込む仕組みになっています。
 
  高脂肪食負荷などによる血中の遊離脂肪酸が増加すると、組織内での中性脂肪およびその代謝物(FA-CoA、ジアシルグリセロールなど)の上昇をもたらし、糖輸送に重要なGLUT4のトランスロケーションを阻害して、インスリン抵抗性を引き起こすと考えられています。

  こうした根拠から糖尿病の予防には、食の見直しとして低脂肪食を中心とした食生活に慣れることが重要で、常に脂肪を燃焼させる有酸素運動が求められます。



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