心臓突然死の救命はいかに早く除細動を行えるかにかかっている

 


 心臓突然死は、45歳以上の男性で7割は家庭で家族の目の前で起こります。すぐ隣の人が4分以内に心肺蘇生法を行い、8分以内に電気的除細動を行うことにより半分の人が救命できます。

  心臓突然死の原因は、心臓の筋肉が痙攣状態になった心室細動です。除細動が1分遅れるごとに7%から10%の救命率が低下します。したがって、いかに早く除細動を行えるかにかかっています。

  現在、心電図上の除細動可能な心室細動のみを自動認識し、除細動ボタンを押すだけの半自動除細動器(AED)が開発され、日本でも救急救命士が医師の指示のもとで使用しています。心臓突然死の発症後、すくざま心肺蘇生法を行えば、虚血に最も弱い脳細胞を生かすだけでなく、心臓では除細動可能な心室細動を維持することができ、8分まで除細動時間を延長することができます。
 
  残念ながら、現場で救命士が医師の指示を得た後に除細動を行うまでの時間は16分以上かかっているのは現状です。米国心臓病協会(AHA)心肺蘇生法国際ガイドラインが発表されてから、大きな変化が救命救急体制で起こっています。一年以内には、救急救命士は医師の指示なしてAEDの除細ボタンを押すことができるようになります。そううなれば、心臓突然死の発症から8分以内に除細動が可能になり、救命率の向上が期待できます。

  15年来の心肺蘇生法普及活動である「目の前で、あなたの愛する人が倒れたなら、あなたは愛する人を救えますか」が本当に活かされる時代が到来いたします。



Copyright (C) 2005 Hyogo Vitual Health Science Center