高コレステロール血症の診断基準は220mg/dl以上で、従来通り

 


 平成14年7月18日、19日に神戸で開催された第34回日本動脈硬化学会にて新ガイドラインが発表されました。原案で提示された240mg/dl以上を高コレステロール血症とし、220〜240mg/dlを境界型とする新基準は採用されませんでした。

  前ガイドライン(1997年)の内容は、原則的に高コレステロール血症の管理対策に限られ、必ずしも他のリスクの重要性が十分反映されるような指針になっていないことや、薬物療法適応基準を設けたことから薬物治療が安易に行われるおそれがあるなどの問題点も指摘されております。

  今回の新ガイドラインでは、薬物療法の適応基準は設定せず、治療手段はまず、ライフスタイルの改善によることを優先させたのが特徴になっています。

【高脂血症の診断基準(血清脂質値:空腹時採血)】
高コレステロール血症   総コレステロール   ≧220 mg/dL
高LDLコレステロール血症  LDLコレステロール  ≧140 mg/dL
低HDLコレステロール血症  HDLコレステロール  <40 mg/dL
高トリグリセリド血症   トリグリセリド   ≧150 mg/dL

【ガイドラインの見方】
1)冠動脈危険因子として、加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(<40 mg/dL)の6つの内、糖尿病以外の危険因子を一つ以上持っている人は、総コレステロール220mg/dl、LDLコレステロール140mg/dl、トリグリセリド150mg/dl以下が治療目標となります。年齢そのものが危険因子のひとつとなり、男性45歳以上、女性55歳以上ではこの基準となります。
2)糖尿病の人および3つ以上の危険因子を持っている人は、総コレステロール200mg/dl以下、LDLコレステロール120mg/dl以下が治療目標になります。



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