男性45歳、女性55歳以上の動脈硬化年齢における運動時高血圧について

 


 動脈硬化は加齢とともに動脈壁の弾力性が減少し、徐々に硬くなっていく状態を言います。安静時の血圧が年齢とともに徐々に高くなるのはこのためです。

  特に、男性45歳、女性55歳の年齢そのものが、心筋梗塞発症の危険因子と見なされます。女性が男性よりの10年遅れる理由は、閉経の年齢まで女性ホルモンの分泌が強力な抗動脈硬化作用があるためです。
 
  安静時の血圧が正常範囲内であっても、運動すれば心拍数の増加とともに血圧の増加が見られます。激しい運動では血圧が200mmHgを超えるのが普通です。
  運動時高血圧は本人の自覚症状としては、通常、動悸、息切れと感じます。
  2002年11月23日に起こった福知山マラソン、名古屋シティマラソンの3名の一連の死亡事故のように苦しみが喜びと感じる競技者には長時間、危険な状態にさらされることになます。場合によっては冠動脈内の不安定プラーク(狭窄部のこぶ)に亀裂が生じ、冠動脈内血栓が発生し、急性心筋梗塞が起こります。
  検診にて高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、あるいは運動不足などの指摘を受け、健康づくりにジョギングをはじめ、次第にマラソン競技にも参加するようになった市民マラソンランナーは危険です。
 
  動脈硬化年齢以後の人が、運動不足の解消のため運動しようと決意した時、今後も競技スポーツを続けたいと思っている場合には、一度、運動負荷試験を受けることをお勧めします。
  どの程度の運動強度が血圧200mmHgを超えるのかは個人差かあります。脂肪を燃やす有酸素運動が安全なのは、中等度以下の運動強度であるためです。

  詳しい解説は、「スポーツ時の安全管理:中高年の運動時高血圧について」をご覧ください。


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